シーズンオフは自信を取り戻すために、新しいトレーニングと湯原信光さんとの合宿で過ごしました

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――まずはシーズンオフに入って、どのように過ごしたかを伺いたいと思います。

 プロになってからは、例年12月、1月はクラブを触る機会があまりなかったのですが、今季からクラブやボールなど用具の使用契約をフリーにすることにしましたので、いろいろなクラブをテストできたらな……という思いもあり、今回のシーズンオフは12月から少しずつクラブを触りながら、1月に台湾で開催された日立レディスクラシック(1月8~10日、台湾・オリエントG&CC)に出場しました。

出場してみたら、新鮮な気持ちで試合に臨むことができましたし、とてもいいプレーができました。

 
――沖縄に戻ってからはトレーニング中心で。

 そうですね。1月中はトレーニング7割、ゴルフ3割という感じでした。

体幹トレーニングはもちろんですが、今までやってきたものプラスアルファで呼吸法を意識したトレーニングを取り入れました。

 
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――呼吸法にはどんな効果があるのですか。

 いろいろな効果があります。あばら骨を意識しながら肺をふくらませたり小さくしたりするのです。

イメージとしては、テレビの健康番組でよく見る”ロングブレス”です(笑)体幹トレーニングが効率よくできるようになってきたこともありますし、例えばスイング時にリラックスしやすい状況を作ることができたり、体を動きやすい状況にコントロールできたりと、すべてに関連していくように感じています。

 
――どんな方法なのですか。

 寝転がって風船をふくらませるのですが、2、3回ふくらませるだけで汗がドッと出てきます。腹筋に効きますよ。
ただ単にふくらますんじゃなくて、”今ここを使っているな”と意識して膨らませると、トレーニング効率も上がるのです。

もちろん、ウエートトレーニングのようなパワー系の筋力アップも大切なのですが、今すぐ結果が出なくても、効率よく、体への負担も少ないアプローチ方法で、長い時間をかけて身につけていければいいなと思っています。

 
――ゴルフでも効果は感じられましたか。

 トレーニングを始めて何日かしてアドレスしたときにあばら骨の動きを意識して呼吸できるようになったので、アドレスのときに、軸というか体の中心が分かるようになりました。
アドレスのときの体の軸や重心は人によって違うと思うのですが、その中で上半身はリラックス、下半身はどっしりという理想の形で構えるために、体の中心を意識しやすくなりました。

 この感覚で立てているからしっかりアドレスできている、という自分の基準が、まだ100パーセントじゃないですけど、少しずつできてきています。それが自信もって振れる、という確信につながっていくんじゃないかなと思っています。

今はまだ基礎中の基礎をやっている最中なので、これをまたベースにレベルアップしていければいいですね。

 
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――そして、2月はタイで湯原信光さんの合宿に参加しました。

 タイには2週間行っていて、湯原さんとは一週間ご一緒いただきました。

湯原さんにはまず、今ここが課題だよ、それをどうしたらいいふうに持っていけるか、考えてみてと問題提起をされました。

まずは課題が見つかって、その練習方法だったり、改善するには体のどこに意識をもっていけばいいのかだったり、そういうことを改めてまた考える時間が持てたのです。
もちろん、一方的に1から10まで手取り足取り指導されるのでなく、湯原さんとお話しする中で糸口を見つけていくという方法でしたので、もう一度自分で深いところで考えることができたのは、本当にいい時間でした。

 
――湯原さんとはどのようなお話しをされたのですか。

 成績が出ない中で一昨年、昨年と過ごしてきたことは私にとって絶対マイナスじゃないと、強く言ってくださいました。
“逆に若いうちに勝てない時期を過ごすのは、今後長くプロゴルファーとして現役生活を長く続けていくうえで、1年でも2年でも長くできるための時間を過ごせたと思え”と言葉をかけてくれて……。

 どうしたらきれいなスイングができるか、どういう動きをすればどういう球が打てるか、プロなら皆知っていることですし、上手なのは当たり前。

そのうえで試合に出てギャラリーのいる中でプレッシャーを感じて、ティショット、セカンドショット、アプローチ、パター……とプレーしていく中で、例えば予選ギリギリのラインでプレッシャーや、優勝争いでいろいろなプレッシャーをというのは、その中で戦っている人でないと分からないのです。テレビで見ていても、どんなに近くで見ていても、絶対に分からない何かがある。

 湯原さんは同じフィールドで、何十年もプレーされている、現役ツアープレーヤーとしての大先輩なので、言葉の1つ1つがスッと私の中に入ってくるのです。

それが私にとって一番必要なことだったし、湯原さんの言葉を心から信頼できて、その言葉を体で表現できることが大切でした。

 湯原さんとお話ししながら練習をしていくことで、少しずつ心の中がクリアになりました。

また100パーセントの自信をもってプレーできるというイメージが、具体的にできるようになったのです。

今すぐ、開幕戦からできるというのではなくても、でもできる、と思えるようになったのです。

 
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――今年はどんなシーズンにしましょうか。

 焦ることもないですし自分のリズムで気負わずやっていければ、と思っています。

とにかく自分らしい一年にしたいです。

周りの人たちが心配していろいろなことを言ってくださいますし、それに対して気を使うこともありました。
でも、今は周りから求められているから何かをするのではなくて、自分の体と心に正直に過ごしていきたいです。

たとえば日によっては練習をやりたくないなというときでも、みんながやっているから練習しなきゃ、ではなく、休みたいなと思ったらしっかり休むようにしていきたいです。

 
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――今年はナチュラルな比嘉真美子プロの戦いに、期待しています。

 充実したオフを過ごせたので、また少しずつ自信を取り戻していけるよう戦っていきます。

昨年は皆さまの声援にどれだけ支えられたか分かりません。今年もあたたかい応援をどうぞよろしくお願いいたします。

 
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取材/2016年2月22日
取材・文/武井真子