自分の決めた道に向かって

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2015年シーズンも後半戦に入り、毎週各地で熱い闘いが繰り広げられている。

思うように結果がついてこない難しい状況のなか、苦しみながらも挑戦を続けている比嘉真美子。

7月のオープンウィークから現在の心境について聞いた。

 
――2週間のオープンウイークがありましたね。何をして過ごしましたか。

 最初の一週間は、プロになって初めて母と姉と一緒に家族旅行に行きました。

行き先はハワイです。思うようなプレーができなかったこともあって、少しゴルフを休んでみようかなと思ったのがきっかけです。

今までもそう思うことはあったのですが、近くにクラブがあるとどうしても触ってしまうので、クラブを持たずに行きました。

 
――ハワイにもゴルフ場はたくさんありますし、マリンスポーツやショッピングなどアクティブに過ごせますよね。

 これといって何もしませんでした。

体を動かしていないのでなかなか夜寝られず、特朝はお昼近くまで寝て、ブランチをとって、午後からトロリーバスに乗ってブラブラして。

夜はフラダンスのショーを見たり。

ワイキキのビーチにも行ったのですが、”沖縄のほうが海はキレイだなぁ”と思ったり(笑)。本当にのんびりしました。

 ハワイから帰ってからは沖縄でしっかりトレーニングをして体と気持ちを戻しました。

今回のオフでとてもリフレッシュできたんですが、「ハワイはカップルで行くところだな」と、あらためて思いました(笑)

 
――(笑)では、比嘉プロはどんな男性と行きたいですか。

 やはりスポーツ選手に目がいってしまいます。男性としてだけではなく(笑)。

 普段からスポーツを見るのが好きで、テレビや実際に観戦することも多いのですが、普段、私はプレーヤーなので自分の周りしか見えません。

でも、純粋に観客として選手の皆さんを”かっこいい!””すごい!”と思うので、それはどんなところなのかな、と考えるのです。

例えば、ゴルフというフィールドに立てば、私がその立場にならなければいけません。

プロとしてギャラリーからリスペクトしてもらえる選手になるためには、プレーだけではダメだと思うのです。

話し方、立ち居振る舞いも魅力的でなければいけないな、と研究しています。

 
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――最近、注目しているスポーツ・競技等はありますか。

 相撲です! 小さいころ、学校が終わってゴルフの練習をして帰ってくると、ちょうど大相撲中継のクライマックスだったので、よく家族で見ていました。

勢関は私と誕生日が一緒なので応援しています。臥牙丸関、豊ノ島関は楽しいキャラクターで注目しています。

シーズンオフにはぜひ朝稽古の見学をしてみたいです。

四股をトレーニングに取り入れている選手もいるので、教えてもらいたいです。

 
――さて、ツアーのお話を聞かせてください。なかなか思うようにならない試合が続いていますね。

 そうですね。正直なところ、だいぶきついです。成績もいいとはいえず苦しいです。

 特にティショットがうまくいかない。得意だったはずのドライバーが曲がってしまって、スコアを作ることができなくなっています。

 でも、悪いことばかりではありません。

私は飛距離が出るほうですしショットでスコアを作ってきたので、実際に試合の中でショートゲームの精度を上げていくという経験がなかったのです。

ショットもショートゲームもそうなのですが、いくら練習場でしっかり打ち込んでも、試合の精神状態や置かれているゲーム運びの状況……、さまざまな要素で練習のようにはいかないのです。

今年は、試合の中でショートゲームの経験を積むことができているので、その点は私の今後の選手人生の中で、絶対に大きな武器になると思っています。

 
――もちろん、ミスなくプレーしてビッグスコアを出して優勝することはプロとして大きな魅力だと思うのですが、ドライバーショットを大きく曲げて、でもそこから木越えや左右に曲がるリカバリーショットでグリーンに乗せていく技は、とうていアマチュアにはできないもので、すごく感動させられます。

 私はずっとドライバーがすごく好きで自信もあったんです。

ドライバーで飛ばして、バンカーも、クリークも、障害になるものは全部越える。

それが私のスタイルだと自分でも思っていますし、ファンの皆さんから見た比嘉真美子という選手の魅力でもあると思うんです。

ところが、現在、それが崩れてしまっている。

これがドライバーではなくアイアンやパターの調子が悪いなら、ここまで悪くはならないと思うんです。

 
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――ティショットでドライバーを持たない、という選択肢はないのですか。

 もちろん、少しでもいいスコアを出して順位を上げることもプロとして必要なことだと思います。実際に、ドライバーを持つのをやめようかと、弱気になることもありました。

 でも、小学生でゴルフを始めてアマチュアでプレーして、そしてプロになってからもずっと私の夢は”世界一になる”こと。

これだけはブレていない。その夢を実現するためには、逃げるわけにはいかないんです。

目先のことだけではなく、未来の自分、今後どういうプレーヤーになりたいかを考えたときに、たとえどれだけ曲がろうとも、ドライバーを持ち続けていこうと決心しました。

 
――目の前の試合の予選通過を目指したゴルフはしないということですね。

 もちろん、結果ができるだけ早く出ればうれしいですが、たとえ長くかかったとしても、自分のスタイルを取り戻したいです。

 調子の悪いときは自分を見失いがちです。

でもそんな中で私は自分らしさを見つけることができた。ですから今、とても前向きな気分です。悩んで悩んで出した答えなので迷いはないですし、腹をくくったら気持ちがラクになりました。

 このままゴルフをやめなければいけないときが来るんじゃないかな……と不安を抱えながら練習していたとき、でもやっぱり私はゴルフが好きだと心から思ったんです。

そこからは小学生のときのように、ただ”楽しい”という気持ちで練習ができるようになって。

 ですから、ファンの皆さまにはもう少しお待たせしてしまうことになるかもしれませんが、自分の決めた道に向かって一生懸命努力することが、今の私にできる皆さまへの恩返しだと思っています。

ここから抜け出すには自分自身の力だけでは限界があります。

不調の今だからこそ、心が折れそうなときも皆さまの応援があって試合に出続けることができています。

皆さまの温かい応援を裏切らないよう、これからもドライバーショットで魅せるスタイルの比嘉真美子を貫いていきます!

 
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取材・文/武井真子