第4弾 比嘉真美子インタビュー

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2015年シーズン開幕まであと1カ月を切った。

14年は不本意なシーズンを送った比嘉だが、15年、巻き返しを図るためにどんな決意をもって、そしてどんな準備をしているのか。

キャンプ中の沖縄で聞いた。

 
――昨シーズンが終わった後、どのように過ごしていましたか?

 12月はゆっくり休もうと、3週間くらいはクラブを握らずに過ごしました。

一人で北海道に2泊3日の旅行にも行ったんです。

朝起きて突然「カニが食べたい!」って思って(笑)。

地元の沖縄に帰ったのは元旦でした。その後も実家で友達と集まったり、楽しく過ごしました。

1月5日から本格的に始動。

毎日、トレーナーさんの指導の下、ジムでの筋力トレーニングや体幹強化、走り込みなど、昨オフと同じように追い込んでいます。

 
――昨年のオフは、開幕時、明らかに体形に変化が見られるほどのトレーニングを積んでいましたね。相当ハードだったと思いますが、昨年と同じくトレーニングに専念しようと思った理由は何ですか。

 昨オフ、一生懸命トレーニングをしたことで、体力面でのレベルアップを感じました。

ただし、まだ1年だけなので成果が出るまでトレーニングには力を入れていこうと思っています。

アマチュアのスイングから、プロのスイングにするためには、体づくりが一番大切。

トレーニングがメインとはいえ、合間に打ち込みとラウンドを入れ、毎日クラブに触るようにしています。

 
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――オフの課題は何ですか。

 アプローチとパターをメインにショットの精度を上げることは毎年の課題なので、徹底的にやっています。

また、昨年は私の一番の武器であるはずのドライバーショットが不調で一番の弱点になってしまったので、調整しています。

 
――ドライバーの不調の要因はどう分析していますか。

 私の本来のリズムより、スイングが速くなりすぎていたんです。

体調がいいこともあって振りすぎていたのでしょう。

これほどドライバーが不調になったことは、今までなかったので、精神的にも落ち込んでしまいました。

今は、スイングを急がないように意識しながら調整を続けていて、本来の球筋に戻ってきました。

最近のラウンドで6アンダーも出ましたし、楽しいという気持ちでゴルフができているので、今年は安心してください(笑)。

 
――シーズンオフを通して地元・沖縄で過ごすことに決めた理由は。

 昨シーズンはいいプレーができず、今まで考えもしなかった余計なことを考えてしまいました。

こういうときは地元でリラックスしながらトレーニングすれば、気持ちを向上できると思ったんです。

一昨年と昨年のオフはアメリカでもトレーニングや練習をしたのですが、初心に戻るためにも、今年は沖縄でトレーニングに励んでいます。

事実、心にゆとりを持てるようになりました。

時間の流れは同じですが、沖縄にいると小さいときにがむしゃらに練習を頑張っていたことを思い出したり、いろいろなことを考えました。

心の中の整理をするという意味で、私にとってはいい環境ですね。その中で自分のいい所、悪い所を見つめ直すことで強化につなげていけると思いました。

急に時間が空いてもすぐに友達に会えますし、食事も母が毎日作ってくれるので充実しています。

それに信頼するトレーナーさんも近くにいてくれるし、みんなのサポートの下、久しぶりに沖縄で集中して練習すると、改めて環境のよさを感じています。

 
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――今年でフル参戦3年目に突入しますが、どんなシーズンにしたいですか。

 とにかく、やれるところまでやりたいです。

昨年は優勝できなかったので、勝つことの難しさやモチベーションを上げることの難しさを改めて知りました。

プロとして戦うからには常に勝てる選手になりたいし、爆発するくらい勝ち星をあげたい。

それでも毎年、試合に出る選手も変わる中で、高い技術、体力を持続させていかないといけない大変さを実感できました。

だからこそ、今まで以上に練習、トレーニングは考えてやるようになりました。

 
――どんなことを考えてトレーニングするのでしょうか。

 目の前にあるものをただこなすのではなく、このメニューはゴルフの中でどう生きるのかを考えながらトレーニングするということです。

例えば、「こういうスイングがしたい」、「こういう球を飛ばしたい」という理想がありますよね?

そのために「下半身を強化しなければ」、「腹筋を鍛えてもっと楽にスイングができるようにしよう」などのテーマを持って、理想と現実のメニューを連動して考えられるようになりました。

 
――昨年は同学年の渡邉彩香選手や、仲のいい酒井美紀選手が初優勝しました。

 アヤカ(渡邉選手)の優勝はうれしかったとともに、私も負けられないなと感じました。

それに、ミキティー(酒井選手のニックネーム)の優勝はすごく刺激になりました。

私とプレースタイルがまったく違うし、先輩ですが親友ともいえる一方で、ライバルだとも思っています。

私が初めて優勝したときのような波のあるゴルフではなく、安定して上位に入るので本当にすごいなと思います。

結果を残せるのは高い技術、高いプロ意識があるからこそ。見習わなければならない選手です。

それから、たくさん学ぶところがあるのは大山志保さんです。

勝負どころでピンにピタリとつけてくるショットの精度の高さには脱帽です。

心技体がそろっていないと、極限の場面で会心のショットは出てこない。

技術はもちろん、気持ちの強さもあると思います。

 
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――1、2年目と大きく変わった部分はありますか。

 私は今までミスをすると、自分が絶対に許せなかったんです。

なぜあのショットを打ったのか、あのパットを外したのかって……。

でも、今はミスしたら次はしないように練習して準備しようと思えるようになりました。

“今”しか考えられなかった私から、これからの自分を作っていくための今の私、という考え方に変わったことで、かなり精神面で楽になりました。

 
――昨年は米ツアーのQTに挑戦するも突破できず、残念な結果でした。今年も海外へ挑戦する予定ですか。

 米ツアー挑戦については以前と少し考え方が変わってきました。

世界最高峰の舞台で戦いたい気持ちは、アマチュアのときからずっとありました。

しかし、昨年(横峯)さくらさんが日本で経験と実績を積んだうえで米ツアーに挑戦する姿を見ながら、さまざまな方法とタイミングがあるのだと改めて考えました。

(宮里)藍さんや(宮里)美香さんのように早い時期で米ツアーを選ぶ道もありますが、米ツアーでは心技体が揃っていないと結果が残せない。

だから、今このタイミングで米ツアー挑戦を目指すことに迷いがあります。

ですから今年はまず、日本ツアーで精いっぱいがんばって、成長しながら結果を残そうと決めました。

5年後になるか、10年後になるかは分かりませんが、私が今だと思ったときに米ツアーに挑戦しようと考えています。

 
――最後に、今年の目標は。

 メジャーを含む3勝です。そして年間獲得賞金1億円突破を目指したい。

もちろんすごく難しいことだと思います。

でも、これからは”勝てる選手”になることにこだわっていきたい。

トレーニングや練習の日々を積み重ね、自分がやることに悔いがないようにすれば、勝負どころで負けない、揺るぎない自信が持てると思います。

2015年はまず日本ツアーで、自分自身も納得でき、皆さんにも評価していただけるような結果を残すことに専念していきます!

 
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取材・文/金明昱