第2弾 比嘉真美子インタビュー

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今季も後半戦に突入し、優勝へ向けた戦いに向け、日々精進を続ける比嘉真美子。

今回は彼女の「挑戦」をテーマにしたスペシャルインタビュー第2弾だ。

海外志向の強い彼女は今年、全英リコー女子オープン、国別対抗戦のインターナショナルクラウン、そして10月に行われたばかりの米ツアーのクオリファイングトーナメントに初挑戦し、更なる高みを目指している。

新たなチャレンジで感じたことや後半戦にかける意気込みなどを聞いた。

 
――まずは今シーズンの前半を終えた総括ですが、 昨年と比べて変わっていることや上手くいっていることはありますか?

 去年と比べて変わったことの一つはすごくパターが良くなったことですね(10月8日現在、部門別ランキングの『平均パット数』は1.7937の15位)。トップ15以内に入っているんですよ。

特にショートパット、1メートルの距離をたくさん練習しました。

はずせない距離を絶対にはずさない距離にしたいなって思っていたんです。

練習も何発打つというよりも、イメージを作ることを大事にしています。

どういうスピードで、どういう回転で、どれくらいの曲がり幅で曲がっていくのか、カップの真ん中か、右か、左かどこから入っていくのかのイメージと自分のテンポを統一できるように心掛けて練習しています。

去年はばらつきがあったのですが、テンポと距離感は良くなってきていると思いますし、実戦でも自分の身になってきているのかなと思います。

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――逆に思うようにいかないことは?

 今はショートゲームが下手くそだったのが、少し上達したくらいです。

まだまだイメージしている球が打てないんですよ。

正直、実戦でイメージした球が打てていないこともあり、成功例も少ないのでイメージも出にくいのかなと思います。

「私はショートゲームに自信があります!」っていうレベルに到達するにはまだ遠いですし、今はその過程です。

 
――では、今後の打開に向けて、どのような工夫を取り入れていますか?

今年は自分の長所である武器のドライバーが短所になっていると感じています。

あと、去年はミスがミスにならなかった部分があって、今年はちょっとしたミスが大きなミスにつながっているのだろうと思います。
つまり、長所が短所になっているから、少し苦しいんだろうって。

例えば、今の自分の結果が悪ければ悪いなりに、いいイメージを持ってプレーしたり、どういうマネジメントをするかをしっかり考えるべきなんでしょうけれど、私はそれがまだ上手ではありません。

トッププロは時に成績が悪いときもありますが、窮地に立たされたときこそ、立て直す対処法がすごくうまいのだと思います。

私が今、一番学ばなければならないことはそれなんです。

思うようにいかない時期ですが、私にとっては成長するための要素なんだと思います。

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――少し話が戻りますが、全英リコー女子オープンに参戦して感じたことは?

 2年連続で出場しましたが、いずれメジャーで勝ちたいという気持ちが強くなりました。

でも今のままでは絶対に勝てません。

いつか勝てるように前に進むだけですが、やはり海外選手との一番の違いは経験です。

正直、海外のコースに慣れている選手とそうでない選手とでは、実力にかなり差があります。

海外でプレーするということにおいて、今の自分に何が足りないかもわからない状態なんです。

そういった事もわからないのに、いきなりメジャーの舞台でプレーするわけですから、いい成績を残すのは難しいと思います。

その差を埋めるためには、やはり早く海外に出てプレーし、経験を積むことが大事なんだと感じます。

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――国別対抗戦のインターナショナルクラウンに日本代表として参戦して感じたことはありますか?

出場した選手は日本の女子ゴルフ界では、私をのぞいてまさに”スーパースター”と言える選手がそろっていました。

宮里藍さん、宮里美香さん、横峯さくらさんの3人です。

藍さんは女子ゴルフ界のパイオニアとして、さくらさんは日本のツアーを引っ張ってきて人気をけん引し、美香さんは日本を経験せずに米国に渡って優勝もしています。

私がゴルフを始めた年に藍さんがプロになって活躍していたので、

「ああいう人になりたい」と思っていました。

メンバーに選ばれたときはすごくうれしかったのですが、
いざ試合が始まるとなると緊張とプレッシャーで押しつぶされそうでしたし、現地に入ってからは後悔していた自分がいました。

森田理香子さんと大山志保さんがキャンセルしたことで、私に出場の機会が舞い込んできたのですが、

「私で本当に大丈夫なのか。なんで出るって言ってしまったんだろう」って思っていたんです。

出場しませんと言えば、緊張とプレッシャーは味わわなくてすみましたから。

そうした不安を正直にみんなの前で言ったんです。

そしたら藍さんは

「この試合に出てくれてありがとう」

って言ってくれましたし、

さくらさんも

「比嘉ちゃんがいたからいい雰囲気で日本チームとしてやれているんだよ」

って話してくれました。

美香さんは私のことを妹のようにかわいがってくれ、いつも気を遣ってくれていました。

 
 実はこれまでは3人のいい所ばかりが見えていたんです。

でも、一緒にプレーしてみて、これまでものすごく苦労を重ねてきたんだなと感じました。

だからこそ、こうした大舞台でも相手を気遣うことができる余裕や優しさを持てるのだと思いましたし、

私も足手まといにならないように「やるしかない!」って思えたんです。

 
――オリンピックへの想いに変わりはありますか?

 私は五輪には絶対に出たいって思っています。

エースとして日本を引っ張っていきたいくらい五輪に対する気持ちは大きいです。

そのためにはそれなりの経験、技術が必要ですし、この想いを口だけでは終わらせたくありません。

だからこそ海外で色々な経験を積んで、技術をアップさせたいという気持ちが大きいです。

米国のツアーのレベルの高さと層の厚さを経験するには、日本にいると限界があると感じるんです。

米国は色々なコースや強い選手がたくさんいます。

そういう場所に身を置くことで、着実に力をつけていくことが五輪出場につながると思います。

それに出場権を勝ち取るだけで満足していてはダメですよね。本当の実力がないと金メダルは絶対にとれません。だから私は海外に出ることにこだわるんです。

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――今シーズンもファンや所属先のジブラルタ生命保険の社員など、たくさんの方が会場に応援に駆けつけています。オフィシャルサイトにもたくさんのコメントが寄せられていますが、どのように感じていますか?

 素直にうれしいです。

応援してくれる人がいればいるほど、力になります。

一人で戦っているんじゃないんだと思えることがすごく大きいですね。
去年と比べても私のことを知っていてくださる人たちがすごく増えたので、応援してくれる人たちの前でいいプレーを見せることは一つのやりがいにもなっています。

 
――最後に後半戦に向けた意気込みを聞かせてください。

最近はショットの調子も良くなってきていますし、少しずつイメージした球も打てるようになってきたので、噛み合えば後半はいい結果を残せると思います。

優勝は毎週狙っています。

それは今季の開幕戦から変わりはありません。

やはり実力で勝つことに意味がありますから、自分の力で勝利をもぎとりたいです。

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取材・文/金明昱